おっさんくさいこと言ってたのかもしれないと思って勝手に反省していた

はじめに

特にきっかけがあるわけでもないが、自分が技術的選択においておじさんくさいことを言っていたのではないか? ということをつらつらと書くという内容です。 具体的には、「実質的にリターンがあることに対してコストがある事柄について、これは多くの人間にとってリターンにコストが見合わないんじゃないか」とか言っちゃうことをおっさんくさかったのでは、と反省する記事です。

この話の前提となる私の思考癖

技術選定や設計など、技術的選択を行う時に、以下のことを私は考えています。

  1. 現在の要求される仕様に技術・設計がマッチしているか、オーバーではないか、貧弱ではないか?
  2. この先、どのような機能の改修が入るか、どういう進化の道を辿るか?(そんなに遠くを考え過ぎないようにはするが)
  3. それは今考えるべきことか?あとから問題起こった時に考えるということでもいいのではないか?

1について

自明な話なので、説明は割愛。

2について

「機能の改修や進化」は、サービスの性質あるいは人間から生まれるものですよね。 これらは、サービスの性質や、組織や発言権の強い人間の思考癖、あるいは日常の中に出る発言によって、 ある程度予測可能な部分があると思っています。 そして、これらの予測範囲はサーバーからGUIに及ぶが、今後予測される複雑性に対する拡張性や技術的難易度の上がり方などに影響すると考えています。 また、組織や人間の癖がより色濃く出やすいのがGUIであると考えていて、みんなやりたいことがあって、だいたい頻繁に手が入るので、 なんも考えてないとGUIは比較的困ったことになりやすいと考えています。 よって、この項目についても考えることにしています。

3について

あまり早い段階で間違った最適化をしないように気をつけているというだけです。 1しか考えてなくても間違った最適化をするかもしれないし、2の考えに寄りすぎると、間違った最適化をすると考えているためです。

「コストにリターンが見合わない」のコストとリターンとは?

上記の前提において、コストとはなんなのか、と考えると、 例えば、学習コスト(技術選定の場合でも、アプリケーションコードの実装についても)、 あるいは、単純に実装コスト(これは単純に実装にかかる工数とする)、ということになると思う。

リターンは、例えば、より複雑な要求に耐えうる、とか、はやくなるとか、 まぁなんでもありそうですね。

私の思考癖で考えることは、選択の裏付けになっていない

上述した思考癖のうち、1は「現在」という確度の高い情報に基づいて考えることになるので、1で考えたことは裏付けとして使ってもいいと考えている。

しかし、2についてはどうか。 まず、そもそも、入社したてで機能改修の傾向がつかめていなかったり、極めて理屈のない思いつきでものを言う強権者もいたりするし、 あるいは、あらたな強権者がチームに入ってくるなどもあり、 私の考える「システムの進化予測」はかなり不確実性が高いということになる。 そして、2の項目における技術的判断のリターンは、この不確実な「システムの進化予測」から影響を受ける。 つまり、この、リターン予測も不確実ということになる。

また、コストについてだが、学習コストや実装コストは、人によって大きく変わることがある。 これは、どういう経験をしてきたかにもよるし、メンタルな部分もあると思っている。 これらについて、私が他人のことを考えて「きっと大変だろう」とか思っても、 結局わからないことを勝手に決めつけて考えているに過ぎない。

つまり、「コストに見合うリターン」というのを、コスト面についてもリターン面についても、私は雰囲気で考えているということになる。 また、結果的に思考癖の3も雰囲気とか感覚で考えていることになる。

(とはいえ、これらの事柄について、全く考えないべきだというのもまずい気がするので、一応考えることには変わりない)

雰囲気で考えているのにもかかわらず

あまり理のないことを言っているのにもかかわらず、なんでこんなことを言っちゃうのか?

これは、私が「コストにリターンが見合わないんじゃないか」と言う時に「他人のことを考えて大人っぽいことを言っていてえらい」という感覚がどこかあって悪いことをしているという感覚がなかったからなのではないかと思っている。

そもそも、理があろうがなかろうが、他人のことを考えたからといって、それがいいことかどうかは他人が決めることなのでわからない。 他人のことを考えたから良いことをしている、というのはかなり傲慢な心理に思える。

私はこれを「おっさんくさかったのではないか?」と思ってこんなポエムを書くに至った。

結局どうすればいいのか

このことについて、今後、私はどういう態度をとるべきかというと、「だれでも気軽に脊髄反射で反論しやすい空気感の言葉を使い、私の考えてることに対して、意見をもらうようにする」ということくらいしか思いつかない。

結局これで誰からも意見がもらえないということもあるだろうし、意見をもらったからと言って、最高の選択ができるかというとそれは最終的には未来にしかわからない。そのまた未来では、クソだったということもあるだろう。これは時間経過で評価が変わっていく。

だが、「コストにリターンが見合わないんじゃないか」と言いたくなった時に、「俺はおっさん臭くなってるかもしれないから、ちょっと色々聞いてみるか」という気持ちとか表情を出力したほうが誠実な振る舞いだろう。

「あいつめっちゃ加齢臭するよな!!」とか言われるのも悲しいですし...